データが同じなら買い目の最適化が利益の差となる
延々とデータと向き合っていると現実と乖離したイメージができあがることがよくあります。現実感を持って対処していかないとデータが作り出すイメージにとらわれてしまうからやっかい。
なので意識的に時間を置いて何度かプロセスをやり直すようにしています。最近は、あまりに着差がつかないレースが多くなったのでブレの多いレースは無視するようにしました。
そういうレースに関わってると時間ばかり過ぎていくのと意外と得られるものが少なかったりする。どのレースでも頑張ればどうにかなるというのは理想をもとにした幻想なのでしょう。
データの解釈は、科学というより芸術に近いと言われています。マッキンゼーの報告書によるとデータの取り扱いに慣れた専門家が14万─19万人足りていないのだとか。この分野はまだまだ開拓されているとは言えません。
データを分析する際に注意すべきなのは、先入観(過大評価や過小評価)を持たず、相関関係を因果関係と取り違えないこと。間違ったデータと不適切な判断はどちらも偏った結果につながります。
つまり、同じデータを見ても全く逆の判断をする人は当たり前のようにいるわけです。競馬予想では日常茶飯事の出来事なので、補完データを集めて正しい結果に導けるよう意識して対処してきました。
この点においてデータ分析と資金管理を区別することに重大なメリットがあります。それはデータを都合よく解釈してスリ合わせるケースが減るからです。一般的な競馬予想では同時に行っているため重要な買い目が見えにくくなってしまう。これを分けることで自覚なしに予想の都合でデータを解釈するケースを抑制し何を重視すべきかが見えてきます。
良質なデータを元に競馬予想をするならば、競馬は戦略が重要なゲームになるでしょう。今はその前提があるのは投資競馬だけだと思います。ほとんどの人は意識すらしていないでしょう。
どういったパターンの買い目を厚く買うべきなのかは人それぞれ違ってきます。それは、今までの経験や感性から判断することであり、その基準は自分の強みに関係しているからです。
以前の競馬は強い馬が勝ちやすかったのですが、スローペースが浸透した今では機会に恵まれた馬が勝つことも増えてきました。それと同時に競走馬の質が均一になったことで着差が減少してきたことも影響しています。
もう強い馬が勝つなんて意識は捨てるべきでしょう。そうなっていないからこそ往年の勝ち組がどんどん没落しているわけですから。安定して勝つには変化を読み取り必要なことが何なのかを見極める必要があります。
そのために冷静な感情を手に入れ思考をクリーンにしておくことが重要になります。データ分析が8割、資金管理が2割。資金管理は個々の才覚を生かす場ですから、そこは存分に楽しんでやって欲しいと思っています。